内部監査入門
事件でわかる、内部監査の考え方。1回約5分、世界で実際に起きた事件から、内部監査の「考え方」を逆引きで学ぶ。
内部監査に異動が決まった方、内部監査という仕事に興味がある方、CIA(公認内部監査人)を「いつか」と思っている方へ。知識ゼロで大丈夫です。専門用語は、出てくるたびにその場で噛み砕きます。
なぜ組織は壊れるのか
「巨大企業はコケない」は思い込み。決算書の数字が本当でないとき、組織は数ヶ月で消える
複雑な仕組みは、実態を見えなくする。それを止める仕組みが弱いと、組織は壊れる
内部の声を受け止める仕組みがなければ、告発があっても組織は崩壊する
仕組みの欠陥が組織を壊す。仕組みで守るのが内部監査の出発点
内部監査とは何か
内部監査は粗探しの探偵じゃない。組織を前に進める仕事
内部監査は組織の免疫システム。内側から、継続的に、独立した視点で見守る
内部監査は「守り(保証)」と「攻め(助言)」の2本柱で組織を強くする
内部監査は経営から独立した立ち位置で、経営陣と監督機関の両方に報告する
内部監査の仕事とキャリア
内部監査の入口は一本道じゃない。今の経歴も、たぶん活きる
前職の経験は、弱みじゃなく武器。あなたの引き出しが、組織を強くする
CIAは入口の一つ。実務経験と現場理解、誠実な対話力が揃って、はじめて活きる
ガバナンス
取締役会が止まれば、巨大企業でも消える
ガバナンスとは、権限と責任を設計し、方向付け・監督・説明責任で権力を律する仕組み
監視は、重なって初めて効く。1つでは守れない
守りは3つのラインの連動で成り立つ
内部監査の独立は、設計で守るもの
3つのラインが「ある」だけでは足りない。同じ圧力で同時に倒れない強さが要る
ルールより強いのは、組織の空気
文化は、トップが言葉と行動で作り直せる。ただし自然には変わらない
リスク
リスクとは不確実性。良い方向にも悪い方向にも転ぶ
内部監査はダメ出しでなく、業務をリスクの言葉で見直す独立評価
リスク対応は5つ。全部回避は不可。受容も活用も経営判断
戦略は正解、実行はミス。方向と対応設計の両方が要る
リスク管理は賢く選ぶこと。放置は受容ではない
リスクベース思考は完璧主義の放棄でなく戦略的な集中
環境が変わればリスクの地図も変わる。計画は更新し続ける
内部統制
内部統制とは「ルールを作ること」ではなく「ルールが機能する仕組みを作ること」
統制環境=組織の体質が土台。土台が腐ればどんなルールも形だけになる
統制は予防・発見・是正の3連鎖。予防だけでは守れない
発見しても、是正しなければ統制はないのと同じ。設計と運用の両方を見る
職務分掌=権限を分けること。仕組みがあるから信頼が守られる
内部統制は仕組みで組織を守る。その仕組みは独立した人が検証する
独立性と倫理
形だけの監査は監査じゃない。独立性は形式でなく実質。組織の独立性と、人の客観性、この2つがそろって監査は機能する
独立性は個人の努力でなく、組織の仕組みで守る
客観性を脅かすのは外圧だけではない。自分の頭の中のバイアスでもある。データが正しくても判断は歪み、専門家でもバイアスに負ける
バイアスは避けるのでなく認識する。客観性も、規模に応じてできる形で、仕組みで守る
倫理原則は平時には当たり前に見える。試されるのは、板挟みになったとき
倫理は守るべきルールではない。困難な状況で何を基準に判断するか、その羅針盤
リスクが変われば、監査も変わる。全てを知る必要はない。限界を知り、外部の力を借りる
全てを知る必要はない。でも、何が分からないかは知っている必要がある。だから、学び続ける
監査の全体像とまとめ
監査は「計画」から始まる。何を見るかをリスクで選び、事実で確かめる。段取りが、監査の成否を決める
監査は「行って、見て、報告する」だけじゃない。計画で方向を定め、フォローアップで改善を見届ける。「前」と「後」が、監査の価値を決める
内部監査は、組織のガバナンス・リスク・統制が健全に働いているかを、独立した、客観的な立場から評価し、改善を助言し、見届けて、組織の価値を守り高める仕事。その「考え方」は、もうあなたの中にある。次は、その考え方を「やり方」に変える番
内部監査の「考え方」を、演習で確かめる。
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