#9 内部監査への入口は、ひとつじゃない

内部監査入門(事件でわかる、内部監査の考え方)|第9回/章「内部監査の仕事とキャリア」|読了 約4分

組織は壊れる。誰が防ぐ?

2001年、アメリカの巨大企業エンロンが、数ヶ月で消えました。組織は、壊れる。

その兆候を早めに捉え、組織を守るのが、内部監査という仕事です。

では、こんな大切な仕事を、いったい、誰がやっているんでしょうか。

誰が、やっている?

この回から、その「誰が」、を見ていきます。

内部監査は、組織が壊れる兆候を早めに捉え、守る仕事です。ここからは、それを担う「人」のお話です。

つまり、内部監査人のキャリア。内部監査の仕事をする人が、どんな道のりで、その仕事にたどり着くのか。

今回は、その入口を見ていきましょう。

どんな人が、やっている?

ここで、皆さんが抱きそうな不安が、ひとつあります。

「内部監査って面白そうだけど、どんな人がやっているの?」「自分みたいな経歴でも、本当にできるの?」

皆さんも、思いませんでしたか?ここから、その疑問に、ひとつずつ答えていきます。

前職が、そのまま活きる

先に、結論から言わせてください。

内部監査は、前職の経験が、そのまま活きる仕事なんです。

いまの皆さんの経歴。これまでやってきた仕事の中身。

それが、内部監査の現場で、そのまま強みに変わるんですね。

だから、ここは安心してほしいんです。特別な経歴がないと務まらない仕事、ではないんですよ。

最初から、ではない

もうひとつ、お伝えしておきたいことがあります。

内部監査を、学生のころから目指してきた人。そういう人ばかりじゃ、ないんですね。

むしろ、別の仕事を経験してから、入ってくる人が多いんです。そして、入った後も、できることを広げていける。

入口も、その後も、思ったより自由なんですね。

入口は、5つ

では、その入口を、具体的に見てみましょう。

日本の事業会社では、内部監査の入口は、結構いろいろなんです。

経理の経験者。IT部門の出身者。

法務やコンプライアンスから来た人。営業や製造の現場を見てきた人。

そして、監査法人から転職してきた人。

代表的な入口を、ここでは5つ挙げますね。

入口ごとに、強みが違う

そして、面白いのは、ここからです。

入口によって、活きる強みが、違うんですね。

経理から来た人は、数字の違和感に気づける。IT出身の人は、システムの穴が見える。

法務やコンプライアンスの人は、規程の解釈が早い。現場を知る人は、現場の肌感覚がある。

監査法人の出身者は、監査のやり方を知っている。

それぞれの前職が、そのまま強みになるんです。

一本道じゃ、ない

いわば、内部監査への入口は、4本5本の線路なんです。

経理という線路。ITという線路。

法務、現場、監査法人。それぞれ、別々の駅から出発します。

でも、どの線路から来ても、内部監査という駅に、ちゃんと合流できる。入口は、一本道じゃ、ないんですね。

内部監査部門の、トップ

ここで、もうひとつ。知っておいてほしいことがあります。

内部監査の仕事は、多くの場合、ひとりだけでやるものではありません。たいていは、何人かのチームで動きます。

そして、そのチームには、まとめ役のトップがいるんですね。チーム全体を率いる、内部監査部門の責任者です。

CAE=内部監査部門責任者

この、内部監査部門の責任者のことを、CAEと呼びます。

英語で、Chief Audit Executive。日本語にすると、内部監査部門の責任者、という意味なんですね。

会社によって、呼び方は少し違います。内部監査部長、と呼ぶ会社もあります。

でも、内部監査部門のトップという、その役割は共通なんです。

多様な入口から入った人が、経験を重ねて、いつかこのCAEを目指していく。そういうキャリアの先も、あるんですね。

向く先は、ひとつ

ここで、ひとつ思い出してください。

ここで、内部監査の立ち位置を確認しましょう。監査する相手から独立した立場で、組織を前に進める仕事です。

入口は、経理、IT、法務、現場、監査法人。バラバラです。

でも、入った後に向かう先は、みんな同じなんですね。組織を前に進める、その一点です。

入口は多様でも、めざす方向は、ひとつなんです。

入口は、一本道じゃない

この回で覚えてほしいのは、ひとつです。

内部監査の入口は、一本道じゃ、ない。

経理、IT、法務、現場、監査法人。どの経歴からでも、内部監査の世界に入っていけます。

そして、皆さんのいまの経歴も、たぶん、そのまま活きるんですね。

次の回へ

皆さんがこれまでやってきた仕事は、内部監査から見ると、遠回りではありません。ただ、それが具体的にどう活きるのかは、まだ見えにくいですよね。

次の回では、その活かし方を、一つずつほどいていきます。それが分かれば、皆さんが職場で何を活かせるかも、見えてきます。

この回の持ち帰り

内部監査の入口は一本道じゃない。今の経歴も、たぶん活きる

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