#43 内部監査の「考え方」を、手に
内部監査入門(事件でわかる、内部監査の考え方)|第43回/章「監査の全体像とまとめ」|読了 約4分
ひとつの到達点
内部監査は、計画、実施、報告、フォローアップという、4つのフェーズで一周します。
今回は、組織はなぜ壊れるのか、から始まった内部監査の「考え方」を、まるごと振り返って、締めくくります。
ここが、内部監査の考え方の、ひとつの到達点なんですね。
6つの、問い
このシリーズは、6つの問いをたどる旅でした。組織はなぜ壊れるのか。
そこから始まりましたよね。では、その6つの問いと答えを、皆さん、一つずつ振り返っていきましょう。
1つ目。なぜ組織は壊れるのか。
アメリカの巨大企業だったエンロンで見たのは、仕組みの欠陥が組織を壊す、ということでした。組織が複雑になると、実態が見えなくなる。
そして、内部の声を受け止め、実態を検証する仕組みがなければ、組織は壊れてしまう。これは、会社の大きさに関わらず、起こりうることなんですね。
だから、仕組みで守る。それが、内部監査の出発点でした。
2つ目。誰が組織を見張るのか。
それが、ガバナンス、組織を統治する仕組みでした。取締役会などの監督機関が、経営の執行を監督する。
第1線の事業部門、第2線のリスク管理やコンプライアンス、第3線の内部監査。この3ラインモデルが連動して守る。
そして、トップの姿勢がつくる組織文化が、ルール以上に人の行動を決める。そういう話でしたね。
3つ目。何がうまくいかなくなるのか。
リスク、つまり組織の目的に対する不確実性です。リスクは、良い方向にも、悪い方向にも転びます。
対応は5つ。回避、軽減、移転、受容、そして活用。
活用は、好機と見れば、あえて取りにいく、攻めの対応ですね。全部は見られないから、影響度と発生確率で優先順位をつける。
これが、リスクベース思考でした。
4つ目。何で組織を守るのか。
内部統制、ルールが機能する仕組みを作ることでした。業務が正しく回り、報告が信頼でき、ルールが守られる、その達成を支える仕組みです。
統制環境、つまり組織の体質を土台に、予防、発見、是正の連鎖と、職務分掌で成り立つ。
そして、機能しているかは、現場や経営者の点検に加えて、独立した立場からも検証するんでしたね。
5つ目。監査人は、何を備えるのか。
独立性、客観性、倫理、専門能力。この4つが、内部監査人の背骨でした。
独立性は組織の構造で守り、客観性は監査の進め方で補う。倫理は板挟みでの判断の羅針盤、専門能力は学び続ける力。
どれか1つが欠けても、見張り役は立っていられないんですね。
監査人が背骨を備えたうえで、その監査が実際にどう進むのか。それが6つ目でした。
監査は4フェーズで一周します。計画で方向を定め、実施で事実を確かめ、報告で経営者を動かし、フォローアップで改善が実施され効いたかを見届ける。
監査の価値は、「行って、見る」現場だけでなく、「前」と「後」で決まる。そういう学びでしたね。
もうひとつの、道
ここまでで、内部監査の「考え方」は、一通り手に入りました。では、ここから、どう深めていくか。
深め方は、ひとつではありません。実務のなかで経験を積む。
学び方は、いくつもあるんですね。
そのなかで、もうひとつの道を、紹介させてください。内部監査を体系的に学び、国際資格で証明したい。
そう感じた方には、CIA、公認内部監査人があります。CIAは、内部監査の専門性を、国境を越えて証明できる、世界共通の国際資格です。
具体的な学び方は、CIA 学習アプリで試せます。問題に加えて、論点ノートも読めるようになりました。
会員登録なしで、まずは10問だけ無料で試せますので、この記事の下のリンクから、覗いてみてください。
もう、語る言葉がある
このシリーズで、覚えておいてほしいのは、ここです。
内部監査とは、組織のガバナンス、リスク、統制が健全に働いているかを、独立した、客観的な立場から評価し、改善を助言し、そして見届けて、組織の価値を守り、高めていく仕事。
粗探しではなく、守りも攻めも支える仕事です。その「考え方」は、もう、あなたの中にあります。
最初は、監査と聞いて、現場に行って書類を見る。その程度のイメージだったかもしれません。
でも、ここまで歩いてきた皆さんは、もう違います。組織がなぜ壊れるのか。
誰が見張り、何で守り、監査人は何を備えるのか。それを、自分の言葉で語れる。
内部監査を語る言葉を、皆さんは、もう持っているんですね。
まとめ
独立した、かたよらない目で確かめて、良くする道を示して、変わるまで見届ける。その一続きが、組織の値打ちを守り、高めていくんですね。
明日、職場のいつもの手順を一つ、その目で眺めてみてください。そこから、皆さんの監査は始まります。
この回の持ち帰り
内部監査は、組織のガバナンス・リスク・統制が健全に働いているかを、独立した、客観的な立場から評価し、改善を助言し、見届けて、組織の価値を守り高める仕事。その「考え方」は、もうあなたの中にある。次は、その考え方を「やり方」に変える番
内部監査の「考え方」を、演習で確かめる。
CIA 学習アプリでは、229論点の問題演習に加えて、論点ノートも読めます。会員登録なしで、まずは10問だけ無料で試せます。
無料10問を試す(登録不要) 論点ノート(冒頭無料)を読む