#15 3つのラインで守る

内部監査入門(事件でわかる、内部監査の考え方)|第15回/章「ガバナンス」|読了 約3分(動画 約4分)

守りを、3つのラインに分ける

監督が形だけになると、巨大な企業でも崩れてしまう。そして、監視は、重なって初めて効く。

ここからは皆さんと、その監督を、いったい誰が、どう分担して動かすのかを、見ていきます。会社の内側の守りを、3つのラインに整理した仕組み。

それが、3ラインモデルなんです。

第3ライン=独立した検証役

3ラインモデルというのは、内部監査人協会、IIAが示した、組織を守り、支える役割分担の仕組みのことですね。

ここで、サッカーを思い浮かべてみてください。前線で攻めるフォワード、中盤を走るミッドフィールダー、ゴール前で構えるゴールキーパー。

チームは、この3つの層で、守りを組み立てますよね。

実は、組織の守りも、まったく同じ3層構造なんです。第1ライン、第2ライン、第3ライン。

1つずつ、見ていきましょう。

まず、第1ライン。サッカーでいう、フォワードですね。

これは、事業部門。つまり、現場なんです。

営業、製造、開発。リスク、つまり目標の達成に影響する不確実性を取りながら、価値を生み出していく人たちですね。

会社のお金を稼ぐのは、ここなんです。

ここで、1つ、誤解しやすいところがあります。第1ラインを、「リスクのことが分からない素人」と思っては、いけないんです。

むしろ、リスクの最前線に立つ、当事者そのもの。だからこそ、自分でリスクを管理する責任を持つんですね。

次に、第2ライン。中盤を走り回る、ミッドフィールダーですね。

リスク管理、コンプライアンス、品質保証。コンプライアンスというのは、法令やルールをきちんと守ること。

その守れているかを見る部門ですね。こうした部門が、第2ラインになるんです。

役割は、現場と一緒に、リスクを管理する仕組みやルールを作り、回すこと。あわせて、現場が無理をしていないか、ルールを守れているかも見ます。

第2ラインは、経営陣の指揮のもとで動く、リスク管理の専門部隊なんですね。

そして、第3ライン。ゴール前で構える、ゴールキーパーですね。

これが、内部監査です。

内部監査というのは、組織の仕組みが、本当にきちんと働いているかを、独立した立場で確かめる仕事ですね。第1ラインも、第2ラインも、経営の一部。

でも、第3ラインだけは、経営陣の指揮系統から独立した位置に置かれています。

経営陣の業務そのものに組み込まれるのではなく、経営陣から独立した立場で、本当に仕組みが機能しているかを検証する。

ここが、第3ラインの一番の特徴なんですね。

1つ抜けると、止められない

ここで、大事なことを、お伝えします。3ラインモデルの本当の力は、3つが連動することにあるんです。

サッカーで考えてみましょう。フォワードがボールを失っても、ミッドフィールダーが止める。

そこも抜かれても、ゴールキーパーが、最後に防ぐ。3つがつながっているから、相手の攻撃を止められるんですね。

ところが、この連鎖の、どれか1つが止まったら、どうなるか。鎖が1つ切れた瞬間、組織全体として、止める力が大きく弱まってしまうんです。

守りは、3つのラインの連動で成り立つ

これは、サッカーの話だけじゃ、ないんですね。組織でも、まったく同じなんです。

第1ラインだけでは、自分の暴走に気づけないことがある。第2ラインだけでも、現場の実態までは見きれない。

第3ラインだけでも、毎日の業務すべては追えない。

だから、3つが連動して、初めて、組織は守られるんです。皆さんにぜひ持ち帰ってほしいのは、ここですね。

守りは、3つのラインの、連動で成り立つ。

次の回へ

皆さんの職場では、誰かが気づけば止まる、と思っていないでしょうか。ところで、経営陣から独立して見張るというのは、どうやって作るんでしょうか。

次の回では、その独立の作り方を、確かめます。作り方が分かれば、自分の報告がどこまで通るのかも、判断できます。

この回の持ち帰り

守りは3つのラインの連動で成り立つ

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