#11 CIA資格と、これからのキャリア

内部監査入門(事件でわかる、内部監査の考え方)|第11回/章「内部監査の仕事とキャリア」|読了 約4分

資格は、いらない?

内部監査では、前職の経験が、弱みじゃなく武器になります。経理でも、ITでも、現場でも。

それぞれの経験が、監査で活きるんですね。

でも、皆さん、こう思いませんか。経験が活きるのは分かった。

じゃあ、資格は、いらないのか、と。

資格を、見ていく

この回では、その「資格」を見ていきます。

実は、内部監査の世界にも、代表的な資格があるんです。しかも、世界中で通用する資格なんですね。

その名前が、CIA。今日は、このCIAという資格を、ひとつずつ見ていきましょう。

そして、資格が、皆さんのキャリアにどうつながるのかを考えます。

CIA=公認内部監査人

まず、CIAという資格そのものから、お話しします。

CIAというのは、公認内部監査人のことなんですね。読み方は、シー・アイ・エーです。

英語のCertified Internal Auditor、その頭文字です。

スパイで有名な中央情報局とは、別のものなんです。内部監査の専門家だと示す、国際的な資格なんですね。

IIA=内部監査人協会

では、このCIAを認定しているのは、誰なのか。

IIAという団体なんです。IIAというのは、内部監査人協会のことなんですね。

英語で、The Institute of Internal Auditors。

IIAは、1941年に、アメリカのニューヨークで生まれました。内部監査の世界では、最も歴史のある国際団体なんです。

170か国/22万人超

そのIIAが認定するCIAは、いま、世界中に広がっています。

2025年の時点で、認知されているのは、170か国。資格を持っている人は、世界で22万人を超えるんですね。

国境を越えて、内部監査の専門家として認められる。だから、世界共通のパスポートにたとえられることもあるんです。

試験は、3パート

では、その資格は、どうやって取るのか。

CIAの試験は、3つのパートに分かれています。

第1部は、内部監査の基礎。第2部は、内部監査の実務。

第3部は、ビジネス知識です。

基礎から実務へ、そして経営の知識へ。順番に積み上げていく構成なんですね。

合格率 44%/48%/56%

気になるのは、合格率ですよね。

IIAが公表しているグローバル平均で見ると、第1部が44%。第2部が48%、第3部が56%なんです。

決して、楽勝の試験ではありません。でも、半分前後は合格しているんですね。

働きながらでも、十分に狙える範囲なんです。

目安 300〜400時間

では、どれくらい勉強すればいいのか。

学習時間は、一般的な目安で、3パート合計で、300〜400時間。期間にすると、6ヶ月から1年くらいです。

もちろん、これはあくまで目安で、人によって差はあります。1日2時間を続けていけば、働きながらでも、現実的に届くんですね。

具体的な学び方は、CIA 学習アプリで試せます。問題に加えて、論点ノートも読めるようになりました。

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試験+経験=認定

そして、ここは知っておいてほしいんです。

CIAは、試験に受かれば終わり、ではありません。

試験の合格と、実務の経験。この2つが揃って、はじめて認定されるんですね。

必要な経験の年数は、学歴によって変わります。たとえば、学士なら、原則2年の実務経験が必要です。

詳しくは、受験する時点の公式ガイドで確かめてください。

資格は、入口の一つ

ここで、大事なことをお伝えします。

CIAは、あくまで入口の一つなんです。

内部監査には、4つの力が要ります。人の話を聞く力、事実を確かめる力、報告を書く力、人をつなぐ力です。

資格を取っても、この4つの力が現場で使えなければ、組織は動きません。学んだ知識を、実務で使い切る。

その力があって、はじめて資格が活きるんですね。

重要性が、高まる

そしていま、内部監査の重要性は、どんどん高まっています。

少し前まで、監査が見るのは、会計の数字が中心でした。ところが、いまは違うんです。

人的資本、つまり人材への投資。サステナビリティや、ITのセキュリティ。

有価証券報告書で開示する情報も、広がっています。

内部監査が見るべき範囲は、財務の外へ、どんどん広がっているんですね。

経験が、次の土台

だから、内部監査の経験は、その先のキャリアにつながります。

リスク管理、経営企画、コンプライアンス。全社を見てきた経験は、次のキャリアの土台になるんです。

この回で覚えてほしいのは、ひとつです。

CIAは、入口の一つ。実務の経験と、現場を知る力。

そして、誠実に対話する力。これが揃って、はじめて活きるんですね。

振り返る、3つの問い

ここで、この章の全体を、振り返ります。

2001年に破綻した巨大企業エンロンの事件は、決算の数字を偽り、それを止める仕組みが働かないと、組織が壊れることを教えてくれました。

それを防ぐために、独立した立場から組織の改善を後押しするのが、内部監査という仕事。

そしてその仕事を担うのは、多様な経歴を持つ、皆さんのような人たちです。

組織は、壊れる。内部監査が、それを防ぐ。

ここまで、つかめてきましたよね。

次の回へ

資格も、経験も、皆さんが誠実に人と向き合うためにあるんですね。ただ、内部監査だけで、組織は本当に守れるのか。

次の回からは、ガバナンスに入っていきます。取締役会、3ラインモデル、組織の文化。

ここが分かれば、皆さんが職場で何を見ればいいかも、見えてきます。

この回の持ち帰り

CIAは入口の一つ。実務経験と現場理解、誠実な対話力が揃って、はじめて活きる

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