#7 内部監査の2つの仕事、保証と助言

内部監査入門(事件でわかる、内部監査の考え方)|第7回/章「内部監査とは何か」|読了 約3分

守りと攻めの2本柱

内部監査は、よく、組織の免疫システムにたとえられます。内側から、継続的に、独立した視点で見守る仕事だからです。

そして、内部監査には、守りの柱と、攻めの柱。大きく2本の柱があります。

この回では、その2本柱の中身に入っていきます。

これが守りの柱

まず、1つ目の柱から見ていきましょう。

アシュアランス、と呼ばれる仕事なんですね。英語で assurance。

日本語にすると「保証」、という意味の言葉です。

組織の仕組みがきちんと機能していると、確かめて伝える仕事。聞き慣れない言葉かもしれません。

でも、心配いりません。ひとつずつ、噛み砕いていきます。

これが、内部監査の、守りの柱なんです。

ルールどおりに機能しているか

では、何を保証するのか。

組織には、決められた基準やルールがありますよね。その基準やルールどおりに、仕組みがちゃんと機能しているか。

それを確かめていく仕事なんです。

ここで大事なのが、確かめる「立場」です。独立性と、客観性ですね。

業務を実際に動かす人とは、距離を置く。独立した立場で、客観的に評価する。

だからこそ、その評価に意味が出てくるんですね。

たとえば、経費精算

これ、たとえばで考えてみましょう。

皆さんの会社にも、経費精算のルール、ありますよね。領収書を添える。

上司の承認をもらう。全社で見れば、何千件もの伝票が流れています。

そのルールどおりに、運用されているのか。内部監査が、独立した目で、確かめていく。

これが、保証の仕事の、身近な一例なんですね。

評価して、報告するまで

そして、確かめるだけでは終わりません。

どこがルールどおりに動いていて、どこに弱いところがあるのか。それを評価して、結果を報告する。

ここまでが、アシュアランス、保証の仕事なんです。

これは、仕組みで守る、セーフティネットの考え方と、地続きなんですね。仕組みの弱いところを早めに見つけて、上へ届ける。

それが、守りの柱の役割なんです。

これが攻めの柱

ただ、内部監査は、守るだけの仕事ではありません。

ここで、2つ目の柱に移りましょう。

アドバイザリー、と呼ばれる仕事なんですね。英語で advisory。

日本語にすると「助言」、という意味の言葉です。

1つ目の保証が、足元を固める守りだとすれば、2つ目のこの助言は、組織を前へ動かしていく仕事です。これが、攻めの柱なんです。

ここを変えたら良くなる

助言、というのは何をするのか。

「ここを、こう変えたら、もっと良くなりますよ」。そう、改善の方向を示していく仕事なんです。

たとえば、新しいシステムを入れるとき。「この進め方だと、こんなリスクがありますよ」と伝える。

業務のやり方を見て、より良い手順を提案する。

組織が前に進む手助けをする。それが、攻めの柱なんですね。

助言する立場

ただ、ここ、大事なところです。

内部監査は、あくまで助言する立場なんです。実際に運用を変えて、動かしていくのは、現場や、管理部門の人たちなんですね。

内部監査が、代わりに改善をやるわけでは、ない。「こうしたらどうですか」と方向を示す。

手を動かすのは、現場。

この役割分担、しっかり覚えておいてください。

守りと攻めで前に進める

ここまでで、2つの柱が出そろいました。

1つ目が、アシュアランス。基準どおりに機能しているか、確かめる守りの柱。

2つ目が、アドバイザリー。組織を良くする方向を示す、攻めの柱。

この2本がそろって、はじめて組織を強くできるんですね。

守るだけでは、前に進めない。助言するだけでは、足元が崩れる。

両方あって、組織は安心して前に進めるんです。

守り+攻めの、2本柱

この回で覚えてほしいのは、ひとつです。

内部監査の仕事は、守りと攻めの、2本柱。

守りが、アシュアランス、保証。基準どおりに機能しているか、独立した立場で確かめる仕事です。

攻めが、アドバイザリー、助言。組織が良くなる方向を、示していく仕事です。

この2本柱で、組織を強くしていく。それが、内部監査の仕事なんですね。

次の回へ

皆さんが職場で気づいたことは、指摘して終わりにもできるし、次の一手に変えることもできます。では、その二本柱の結果は、いったい誰に届ければいいのか。

次の回では、その届け先を確かめます。届け先が分かれば、皆さんの報告が職場でどこまで効くかも、見えてきます。

この回の持ち帰り

内部監査は「守り(保証)」と「攻め(助言)」の2本柱で組織を強くする

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