民事訴訟における証拠保全
保存の義務は、訴状より前に始まる
オーディットコア・ハブのアキラです。この記事では、民事の争いが見えてきたときに、証拠を保つ義務がいつ立ち上がり、何を怠ると制裁を受けるのかを扱います。
訴状が届いていない日でも、もう動き出していることがあるんですよ。
コモンローの法域では、保全の義務は、届いた書類の名前ではなく、争いが見通せたという事実で動き出すんです。
この一文が、今回の暗記対象なんです。ひとことで言えば、スイッチは書面の到着そのものではなく、争いが見通せたという事実のほうだ、ということなんですね。
この記事で分かること
- 証拠を保全する義務がいつ動き出し、誰にまで及ぶのか
- 何を怠ると制裁の対象になり、どんな制裁が待っているのか
- この論点で想定される出題の3つの型と、起点と類型という2枚の物差し
民事訴訟における証拠保全(CFE-S2-D15-02)
よくある誤解
はじめに、その記述だけを見せられたら誤りになるものを並べておきますね。
- 証拠を保全する義務は、訴えが裁判所に正式に係属した時点で初めて生じる
- 保全義務の起点は、答弁の書面が出た時点や、提訴から一定の日数が過ぎた時点に置かれる
- 保全義務違反への制裁は、証拠をわざと壊した場合に限られる
- 訴訟ホールドといっても、要は普段の文書保管の延長である
上の一つ目と二つ目の記述は、義務が動き出す時点を後ろへずらしています。提訴や答弁といった手続の節目まで、ずらしてしまっているんですね。
三つ目の記述でつまずくのは、故意、つまりわざとやったという要件を勝手に足しているところです。
四つ目の記述は、普段の保管と、争いが見えた後の保存とを同じ扱いにしてしまっている点が違うんです。
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