自白獲得面接の手順
責めずに、認める決断を本人にしてもらう
オーディットコア・ハブのアキラです。
この記事では、告発の切り出し方から、否認への対応、正当化の話題、そして口頭の自白までの進め方を順に追いかけていきますね。
否認された後に必要なのは、責めを強めることではなく、本人が受け入れられる理由を示して、認める決断を自分でしてもらうことです。
この一文が、今回の暗記対象なんです。
つまり、毅然とした態度と、思いやりや理解の二つを同時に示しながら、認めることが最善だと納得してもらう工程だということなんですね。
この記事で分かること
- 告発を声明の形で切り出すやり方と、返ってきた否認の読み分け
- 正当化の話題から選択式の質問を経て、口頭の自白へ進む順番
- 出題型の切り方(3型を、太字の一般原則とセットで整理します)
自白獲得面接の手順(CFE-S2-D10-03)
よくある誤解
この論点では、単独で書かれていたら誤りになる言い方を先に並べますね。
- 罪を犯した相手ほど、別の同僚を実名で挙げて疑いをそらそうとします
- 「私は絶対にやっていません」と真っ向から言い切る相手は、かえって怪しいと考えます
- 同僚をひとまとめに擁護する言い方が、罪を犯した相手のいちばんの特徴です
- 相手に道徳的な言い分を差し出すのは甘やかしなので、追及の場では避けます
- 作り話を見破ったと伝えるために、筆記を大きく見せつけて追い込みます
- 告発は「あなたを疑っています」と、質問の形で切り出します
上に並べた六つを、順に見ていきますね。一つ目は、心理の向きが逆です。
無実かもしれない誰かを犯人に仕立てることには、強い抵抗が働きます。ですから、名指しはむしろ避けられるんです。
二つ目は、反応の持ち主の取り違えです。真っ向からの否定は、無実の側に多い反応なんですね。
身に覚えのない疑いに反発するからです。三つ目は、似ているのは一点だけだという話です。
誰か一人を犯人にしない、という一点ですね。仲間を丸ごとかばう言い方は、擁護の姿勢です。
名指しから逃げたい心理とは別物なんです。四つ目は、技法の位置づけの取り違えです。
道徳的な理由づけを示すのは、甘やかしではありません。否認が続く相手に、認める決断をしてもらうために欠かせない技法です。
五つ目は、圧迫の演出であって、追及の妨げになります。六つ目は、切り出し方の形が違います。
解説
面と向かって切り出す瞬間を思い浮かべてください。切り出しの一言目の形が、その後の面接に効いてくるんです。
告発は、質問ではなく声明の形にします。声明とは、つまり、言い切りの形のことですね。
「疑っています」「信じるに足る理由があります」といった言い方は避けます。調査によってすでに明らかになっている、という伝え方にするんです。
盗む、不正、犯罪といった感情を煽る言葉も使いません。
たとえば「これまでの調査で、あなたが会社の資産を無断で持ち出したことは分かっています」のように伝えます。行為をそのまま言い表して断定するんですね。
では、ここで否認が返ってきたら、どうしますか。まず、返ってきた反応の型を読みます。
身に覚えのない疑いをかけられた無実の人は、自分はやっていないと強い調子ではっきり否定します。
ところが、実際に行った人は、責任の所在をぼかす言い方に逃げ込むんですね。「誰にでもやろうと思えばできたはずです」といった答え方です。
特定の同僚を実名で挙げることは、むしろ避けられます。ただし、ぼかした答えが出たというだけで有罪と決めつけてはいけません。
前後のやり取りや、他の証拠と合わせて確かめてください。
否認が続くなら、面接者は方向を変えます。認めることが最善だと納得してもらう方向ですね。
そこで示すのが、本人が良心と折り合いをつけられる道徳的な理由づけです。
不公平な扱いを受けた、努力が評価されなかった、金銭に行き詰まった、常軌を逸した一時の行動だった、家庭の事情があった。
こうした話題から、相手が反応するものを探していきましょう。理由づけは、不正の根本原因と結び付いていなくてもかまいません。
面接者は、動揺や怒りや非難を表に出さないようにします。つまり、認めても人格を丸ごと否定されるわけではないと感じてもらうための工程なんですね。
相手はいろいろな言い分を持ち出します。たとえば、その場にいなかったというアリバイですね。
その言い分が集めた証拠で崩れて、相手が黙り込んだとします。そうしたら、二つの答えを示す選択式の質問に移ります。
片方は道徳的に受け入れやすい理由、もう片方は悪事の印象を与える理由です。どちらを選んでも行為を認めたことになる作りなんですね。
ここで足場となる自白が出たら、正当化の話題へ戻って気持ちを支えます。そのうえで、口頭の自白へ進みましょう。
聞き取りの組み立て方は、三つに大別されます。時系列、取引別、出来事別の三つですね。
全体像を先に押さえてから、細部を詰めてください。途中で嘘が混じっても、その場では気づかない振りをします。
矛盾はそのまま残して、後で処理するんです。
境目も押さえておきましょう。この場面の姿勢は、二つを同時に示すことです。
毅然とした態度と、思いやりや理解の二つですね。相手を悪人として扱えば、自白はほぼ望めません。
道徳面の言い逃れはできても、法的責任が消えるわけではありません。ですから、協力すれば責任を免れると誤解させる言動は慎みます。
時間がないと急かすことも、道徳的な非難を強めることも、毅然さと思いやりの姿勢から外れるんですね。手続の細部は地域によって変わります。
ここでは一般的な進め方として整理しています。
否認された後に必要なのは、責めを強めることではなく、本人が受け入れられる理由を示して、認める決断を自分でしてもらうことです。
この論点も、被疑者との面接および供述書の取得に属します(論点CFE-S2-D10)。
面接で得た自白を書面にする作業は、署名供述書の取得の回(CFE-S2-D10-04)で扱います。ここでは面接の場での進め方だけを見ています。
この論点はこう問われる
一つ目の型は、事例分類型です。ひとつの発言や技法を示して、それが面接のどの段階のものかを当てさせる形が想定されます。
その言葉が、切り出し・否認への対応・正当化・二つの答えの提示・口頭の自白のどこで使われるものかを先に決めます。
段階を決めてから読むと、見え方が変わりますよね。
- 例1: 「調査で分かっていますと言い切って切り出します」と書かれたものは、五つの段階のうち切り出しの場面ですね。
- 例2: 「不公平な扱いを受けたのですねと話題を向けます」という記述なら、正当化の段階だと決めてから読み進めてみてください。
- 例3: 「どちらを選んでも行為を認めたことになる二つの答えを示します」と書かれたものは、二つの答えの提示ですよ。段階を決めると迷わないんです。
- 例4: 「回数と金額のおおよその見積りを語ってもらいます」という記述は、口頭の自白の段階に置きましょう。
二つ目の型は、半分正しい複合記述型です。結論は正しいのに、理由づけだけがすり替えられている形も想定されます。
結論が合っていても、理由づけが原則と違えば外れます。結論で安心せずに、理由まで読み比べてみてください。
- 例1: 「道徳的な理由づけを示すのは、相手を甘やかすためです」と書かれたものは、結論こそ近くても理由が違いますよね。
- 例2: 「毅然とした態度を保つのは、相手を悪人として扱うためです」と書かれたものは、結論の言葉は近くても理由が原則の逆なんですね。
- 例3: 「名指しを避けるのは、同僚をかばいたいからです」という記述は、結論だけ見て通してしまいがちですね。理由まで読み比べてみましょう。
- 例4: 「筆記を控えるのは、相手が話に集中しづらくなる一点に尽きます」と書かれたものは、理由が一つに絞られている点で外れますよ。
三つ目の型は、絶対語・保証語型です。「すべて」「一度に」「どんな状況でも」といった強い言い切りが混ざります。
絶対語・保証語型と相性がよい論点なんですね。強い言い切りを見たら、条件付きの原則を無条件に言い換えていないかを疑います。
面接の技法は場面に応じて選ぶものなんです。
- 例1: 「どんな状況でも沈黙して相手が話し出すのを待ちます」と書かれたものは、強い言い切りに印を付けて疑ってみてください。
- 例2: 「正当化の話題はすべて一度に示します」という記述も、条件付きの原則を無条件に言い換えていますね。
- 例3: 「面接の技法は場面に応じて選ぶものです」と書かれたものは、言い切りが弱い分だけ原則に近いんですよ。
- 例4: 「作り話は絶対にその場で正します」と書かれていたら、矛盾は後で処理するという原則とぶつかりますから、外しましょう。
試験テクニック
一つ目の手順です。反応についての記述は、「強くはっきり」と「弱く曖昧」の二列に振り分けてから読んでください。
強い否定は無実の側、責任を広げてぼかす答えは有罪の側。向きで対にして覚えると、迷わなくなりますよ。
二つ目の手順です。技法についての記述は、面接の段階に貼り付けてから評価します。
段階を決めたら、毅然さと共感の両立という姿勢に反していないかを見ます。そうすると、圧迫や急かしを含む記述をまとめて外せるんです。
- 例1: 「その行為には及んでいませんと強い調子で否定します」と書かれたものは、反応を二列に振り分ける手順1で、無実の側へ置けますね。
- 例2: 「誰にでもやろうと思えばできたはずですと答えます」という記述は、反応を二列に分ける手順1では曖昧な側ですから、有罪の側に置くんです。
- 例3: 「時間がないと伝えて早く決めさせます」と書かれたものは、技法を段階に貼り付ける手順2で、毅然さと思いやりの両立から外れると分かりますよ。
- 例4: 「筆記を大きく見せつけて追い込みます」という記述も、技法を段階に貼り付ける手順2で見れば圧迫の演出ですね。迷わず外してみましょう。
覚え方
私は、否認が返ってきた瞬間に責める言葉を足さないようにしています。返ってきた答えが、特定の誰かを指さないこともあります。
責任を広く散らす言い方ですね。そのときは、その答えを反応の型として書き留めておきましょう。
教訓を一言で。疑いを向けられて責任をぼかす言い方が出たときは、名指しを避けたい側の反応だと読みます。
この記事の1枚まとめ
| 論点 | よくある誤解 | 正しい判断の軸 | キーワード |
|---|---|---|---|
| 自白獲得面接の手順(CFE-S2-D10-03) | 有罪なら誰かを実名で名指しする | 責めを強めず、受け入れられる理由を示して本人に決断してもらう | 声明での告発/責任をぼかす反応/正当化の話題/選択式の質問/足場となる自白 |
全文が読める見本: マネーロンダリングの三段階、不正のトライアングル
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