マネーロンダリングの三段階

入る前か、入ったあとか、出口か

オーディットコア・ハブのアキラです。この記事では、洗浄が進む三つの段階、プレイスメント・レイヤリング・インテグレイションを扱います。

段階の名前と手口の名前を、どこで見分けるのかまで見ていきましょう。

段階を答えるときは、名前の順番を思い出すのではなく、資金が金融システムへ入る前なのか、入ったあとに動かされているのか、出口で資産の形になったのかを見ます。

この一文が、今回の暗記対象なんです。ひとことで言えば、名前を暗記して並べるのではなく、資金がどこまで進んだかで決める、ということなんですね。

この記事で分かること

マネーロンダリング: the stages of money laundering(CFE-S1-D10-02)

4コマ漫画: マネーロンダリングの三段階

よくある誤解

ここでは、それだけを単独で出されたら誤りになる記述を並べます。

一覧の初めの一つは、第一段階が成立する時点をずらした記述です。

続く二つは、手口の名前や無関係な語を、段階の名前と同じ高さ、つまり同じ種類の言葉として並べた記述ですね。

最後の一つは、撹乱の工程を出口の段階と取り違えた記述なんです。撹乱とは、つまり、たどりにくいように引っかき回すことですよ。

段階は、資金がどこまで進んだかの区分です。手口は、その区分の中で使う道具ですよね。

解説

違法に得た現金を、小口に、つまり少額に分けて自社の口座へ入れます。そのあと海外の関連会社へ順に送り、通貨を替えながら流れを撹乱します。

そんな場面を思い浮かべてください。どこまでが第一段階でしょうか。

プレイスメント(placement)は第一段階です。違法な利益を金融システムへ入れる局面ですね。

窃盗や麻薬取引などで資産を受け取ったあとに行われます。ですから、稼いだ瞬間とは別のコマなんです。

レイヤリング(layering)は第二段階です。送金や両替を何層にも積み上げ、監査証跡をわざと混乱させます。

監査証跡とは、つまり、お金の動きをあとからたどるための記録の跡ですね。

たとえば、文化祭の買い出しのレシートを何人もの手に回して、誰が何を買ったのか分かりにくくするようなものです。

インテグレイション(integration)は最終段階です。合法的な事業取引に見せかけた方法で、資金が経済へ還流されるんです。

つまり、ふつうのお金の流れの中へ戻ってくるわけですね。

段階の境界は単純です。金融システムへ入る前か、入ったあとか。

そこが第一段階と第二段階の切れ目ですね。資産や収益の形で表に出たところから先が、第三段階です。

取引を細かく刻む手口は、段階の名前ではありません。第一段階で使う道具の名前でしたよね。

段階を答えるときは、名前の順番を思い出すのではなく、資金が金融システムへ入る前なのか、入ったあとに動かされているのか、出口で資産の形になったのかを見ます。

法令や当局の名前は、法域ごとに違います。ですから、ここでは公式Outlineの一般概念として整理しています。

マネーロンダリングの中では、工程の区分を担当する論点です(論点CFE-S1-D10)。

手口の名前は、手口類型の回(CFE-S1-D10-03)が受け持つんですね。

この論点はこう問われる

出題型の一つ目は、手続の順序型です。三つの段階を並べ替えて、正しい順を選ばせる作りが想定されます。

入る前に散らすことはできない、という因果が順序を決めます。丸暗記より、原因と結果のつながりのほうが崩れにくいんですね。

出題型の二つ目は、階層すり替え型です。階層とは、つまり、言葉の高さのことですね。

工程の並びに、段階の名前ではない手口の名前や、まったく無関係な語を混ぜてくる形が想定されます。

並びの中に段階でない語が一つでも混じっていれば、その記述はそこで落ちます。並びを見たら、まず名前の高さをそろえてみてください。

出題型の三つ目は、時点ずらし型です。第一段階が成立する時点を、資金を手にした瞬間へずらしてくる作りも想定されます。

問われているのは犯罪の成立時点ではなく、資金が金融システムへ入った接点です。つまり、時計の針をどこに置くかの勝負なんですよ。

試験テクニック

手順は三つです。手順の一つ目。

事例が長いときは、どの一文について段階を聞かれているのかを先に決めます。小口の入金の部分なのか、そのあとの繰り返しの送金の部分なのか。

どこを指すかで、答えは変わりますよね。

手順の二つ目。並びの中から、段階の名前でない語を先に外します。

残ったものだけを順序で比べるほうが速いんです。手順の三つ目。

順序は暗記ではなく、原因と結果のつながりで確かめます。この三つの手順を、事例型でも並べ替え型でも、同じ順番で回してみてください。

覚え方

口座に入るまでの現金は、犯行の現場と直接つながっています。

ところが、いったん口座に入ってしまえば、送金と両替を重ねるほど、たどるのが難しくなるんですね。プレイスメントを投入、レイヤリングを分離とも呼びます。

教訓を一言で。投入なくして分離なし、と順序を因果でつなぎましょう。


この記事の1枚まとめ

論点よくある誤解正しい判断の軸キーワード
三段階(CFE-S1-D10-02)段階の名前と手口の名前を同じ高さに並べる金融システムへ入る前か、入ったあとか、出口かプレイスメント/レイヤリング/インテグレイション

全文が読める見本: 自白獲得面接の手順、不正のトライアングル

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この記事を書いた人

第三者委員会報告書を解説するYouTube『監査レンズ』の運営者が、論点ノート・問題・解説を制作しています。
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