伝わる報告と会議のつくり方

「一方的」と言われたら、欠けているのは建設的

オーディットコア・ハブのアキラです。この記事では、監査の最終報告書に「表現が一方的だ」と反発された場面を入口にします。

報告が備えるべき品質特性のうち、何が欠けているのかを読み解いていきますね。事実は合っているのに受け手が動いてくれない、あの場面です。

「一方的だ」という反発が指しているのは、事実の誤りでも情報の欠落でもなく、受け手が前を向けるように伝えるという建設的の欠如です。

この一文が、今回の暗記対象なんです。ひとことで言えば、相手の不満の言葉を、基準の言葉へ翻訳する作業ですね。

事実を直しても、短くしても、情報を足しても反発が残るとします。そのとき足りないのは、正確性でも簡潔性でも完全性でもありません。

受け手が前を向いて動ける形になっているかどうか、そこを見てみましょう。

この記事で分かること

伝わる報告と会議のつくり方(P1-B-04-a)

よくある誤解

今回の入口は、こんな場面です。監査の最終報告書を受け取った対象部門長、つまり監査を受けた側の部署のトップが反発しました。

「表現が一方的で、私たちの改善努力がまったく評価されていない」というわけですね。

この不満は、報告が備えるべき品質特性のうち、どれが欠けていると言っているのでしょうか。品質特性とは、要するに、良い報告が持っているべき性質のことです。

まず、その答えとして単独で出されたら誤りになる記述を、先に並べておきますね。

どれも監査に関する伝達の質を語るうえで大事な観点ですよね。ところが、「一方的」という言葉が指している欠落は、この三つのどれでもありません。

しかも三つとも、基準が掲げる品質特性の名前をきちんと借りています。名前が正しいぶん、まぎらわしい並びなんです。

見分ける手がかりは、反発が消えるかどうかです。試しに、この三つのどれかを直した場面を想像してみてください。

事実を直しても、短くしても、情報を足しても、対象部門長の反発はそのまま残りますよね。

ここは、どこで差がつくのでしょうか。三つを外せるかどうかは、報告書を書いた経験の量では決まりません。

決め手は、相手の不満の言葉を基準の言葉へ翻訳できるかどうか、その一点なんです。

翻訳ができないと、経験がある人ほど「自分の報告のどこが弱かったか」を思い出してしまいます。

すると、場面を説明した問題文ではなく、記憶で答えを選ぶことになります。

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