複雑な問題に向き合う批判的思考
AIの出力は評価し、判断は自分で下す
オーディットコア・ハブのアキラです。この記事では、AIを使った監査ツールを導入する場面を入口にします。
技術の習得と同時に何が求められるのかを見ていきますね。道具が新しくなっても置き換わらない、監査人の中核の話です。
AIは判断を支援する道具であり、その出力の妥当性・限界・偏りを評価し、最終的な専門職としての判断を下すのは内部監査人自身です。
この一文が、今回の暗記対象なんです。ひとことで言えば、基準が求めているのは、道具を使う力と、道具の出力を疑う力の両方だということですね。
作る技術と、評価する力。この二つを分けて持っておくと、記述がどれだけ専門的に見えても迷いませんよ。
この記事で分かること
- グローバル内部監査基準(GIAS: Global Internal Audit Standards)は、ドメインIIの原則3のもとに置く基準3.1(専門的能力)で、認知面のスキルを求めています。
その批判的思考・問題解決・専門職としての判断が何を指しているか - ツールの構築技術・案件運営の管理・論文の共有が、なぜ核心を外すのか
- 条件のすり替え型・責任主体・権限型・半分正しい複合記述型という、三つの問われ方があります。そこで正しそうに見える記述を落としていくときの、比較の軸
複雑な問題に向き合う批判的思考(P1-B-04-b)
よくある誤解
AIを使った監査ツールを導入する場面を考えてみましょう。
「技術の習得と同時に最も重視すべきこと」として単独で出されたら誤りになる記述を、先に並べておきますね。
- ツールそのものを組み立て、設定を作り込む技術力
- 監査時間の削減という導入効果を最大にする、案件運営の管理能力(案件の段取りと進み具合を仕切る力)
- 新しい学術論文を読み、部門内で共有すること
どれも、部門の力を底上げする取り組みではあります。ところが、問われているのが倫理的・専門的な観点であるときには、いずれも核心を外すんです。
技術も、効率も、知識のインプットも、それだけでは判断の質を保証できません。
三つに共通しているのは、出てきた結果をどう扱うかについて何も言っていない点ですね。
新しい技術が絡む設問は、語の目新しさに気を取られやすいところです。ただ、問われている中身は、道具が変わっても動かない部分にあるんです。
道具の名前を伏せて読んでみると、実は昔から問われてきた話だと分かります。それから、設問が問うているのは導入の可否ではありません。
導入は前提として置かれています。まず、その前提を固定してから読み進めましょう。
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