対立を協働へ変える説得と交渉
押し切らず譲らず、証拠に戻して合意する
オーディットコア・ハブのアキラです。この記事では、監査の結果を伝える終了時の会議を入口にします。
対象部門長が発見事項に猛反発した場面から、説得と交渉のスキルがどこにあるのかを見ていきますね。勝つか折れるか、という二択の外側の話です。
対立の場面で問われるのは、勝つか折れるかではなく、監査証拠に議論を戻し、相手の懸念を聞き取って、事実認識の一致点から合意をつくれるかどうかです。
この一文が、今回の暗記対象なんです。ひとことで言えば、相手に向き直るのではなく、証拠に向き直るということですね。
聞くことと示すこと、両方がそろってはじめて合意へ向かいますよ。
この記事で分かること
- グローバル内部監査基準(GIAS: Global Internal Audit Standards)の基準3.1(専門的能力)が求めるスキルには、人と折り合いながら結論を届ける力まで含まれます。
そして基準11.2(効果的なコミュニケーション)との重なり - 押し切る・譲る・避けるという三つの失敗が、なぜどれも外れるのか
- 最善解型・責任主体・権限型・半分正しい複合記述型という、三つの問われ方があります。そこで正しそうに見える記述を落としていくときの、比較の軸
対立を協働へ変える説得と交渉(P1-B-04-d)
よくある誤解
監査の結果を伝える終了時の会議で、対象部門長が発見事項に猛反発しました。最も適切な対応として単独で出されたら誤りになる記述を、先に並べておきますね。
- 専門職としての権限を背景に、結論は最終的なものだと押し切る
- 関係を損なわないよう、重要度を下げて報告の記述をやわらげる
- その場の対立を避け、議論を打ち切って判断を経営管理者へ委ねる
この三つは、いずれも「対立を管理する」を、相手に勝つか自分が折れるかの二択で捉えています。
押し切るのは勝ちに寄せた対応、記述をやわらげるのは折れた対応ですよね。議論を打ち切るのは、勝負そのものから降りた対応です。
説得と交渉のスキルは、この二択の外側にあります。
二択に見えている時点で、すでに読み違えが始まっているんです。設問がわざわざ「対立が生じた」と書くのは、勝敗を決めさせるためではありません。
対立は、認識のずれが表に出た合図として置かれています。認識のずれを埋める話なのだと分かれば、三つとも候補から外れますよね。
まず、二択の外へ視点を移してみてください。
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