電子証拠の揮発性
分かれ目は、削除ではなく上書きなんです
オーディットコア・ハブのアキラです。この記事では、電子の証拠がなぜ消えやすいのか、そして削除されたデータを取り戻せるかどうかの分かれ目を見ていきます。
ふだんどおりの操作でも証拠が動いてしまう、というところまで一緒に押さえていきましょう。
削除された電子データを取り戻せるかどうかの分かれ目は、消した時点ではなく、その領域が新しいデータで上書きされたかどうかにあります。
この一文が、今回の暗記対象なんです。
ひとことで言えば、消したかどうかではなく、その場所が新しいデータで塗り替えられたかどうかで見極める、ということなんですね。
この記事で分かること
- 電子の証拠が消えやすい理由と、取り戻せるかどうかの分かれ目
- 不安定さ・完全性・証拠として採用されない恐れという、同時に成り立つ三つの性質
- この論点で想定される3つの出題型と、その切り方
電子証拠の揮発性(CFE-S2-D05-06)
よくある誤解
ここでも、単独で示されたら誤りになる説明を先に並べます。
- 隠し属性が付けられたファイルは、その設定のせいで専門家でも取り出せない、という説明
- いったん削除されたチャットやメッセージのやり取りは、原理として復元できない、という説明
- 壊れたデータは、どんな手法を使っても直せない、という説明
- 専門家が取り戻せるのは、ウェブの閲覧履歴だけだ(あるいは時刻の記録だけ、削除された文書だけ)、という説明
- 電子の証拠について当てはまるのは、有形の証拠より不安定だという点だけだ、という説明
つまずく理由は、一つにまとまりません。上の誤解も、並んだ順に見てみましょう。
初めの三つは、できないと言い切る強さに無理があります。四つ目は、取り戻せる対象を一つに絞っています。
五つ目は、同時に成り立つ性質のうち一つだけを残しています。それぞれ、別のつまずき方をしているんですね。
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