窃盗と横領の法的構成要件
先に持っていたら横領、持たずに奪えば窃盗
オーディットコア・ハブのアキラです。この記事では、窃盗と横領がどこで分かれるのかを見ていきますね。
同じように会社のお金が消えた場面でも、罪の名前が変わるのはなぜなのか、その組み立て方を整理していきましょう。
鍵を渡されていたのか、渡されていなかったのか。行為の時点の占有で、横領と窃盗を切り分けます。
この一文が、今回の暗記対象なんです。ひとことで言えば、鍵を預かっていた人が使い込めば横領、鍵を持たない人が持ち去れば窃盗、ということなんですね。
この記事で分かること
- 窃盗と横領を切り分ける、行為の時点の占有という一本の物差し
- 横領の立証で、信認関係を別立ての要素として数え直してはいけない理由
- この論点で想定される出題の型三つと、その切り方
窃盗と横領の法的構成要件(CFE-S2-D03-91)
よくある誤解
まず、それだけを単独で示されたら誤りになる記述を先に並べます。
- 窃盗が成り立つには、行為者がその財産を正当に占有していたことが前提として必要である、という記述
- 横領を立証するには、適法な占有に加えて、当事者の間に信認関係があったことを別立ての要素として示さなければならない、という記述
- 持ち去ったという事実がある以上、その人に財産を扱う権限があったかどうかは分類を左右しない、という整理
- 建物に入る権限を与えられていた人が金品を持ち去ったなら、預かっていた財産の流用として扱う、という当てはめ
一つ目は、横領の特徴を窃盗の要件へ引き写した誤りです。二つ目は、数え方の誤りなんですね。
概念そのものに含まれている性質を、独立した立証項目として数え直してしまっています。立証とは、証拠で示すことです。
三つ目は、分類の軸そのものを消してしまった誤りです。四つ目は、場所に入る権限と、物を預かる権限を一つに混ぜた誤りです。
誤りの出どころが四つとも違います。ここが、この論点の厄介さですね。
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