決済不正の発見策
兆候は束ねて見る、証拠ではありません
オーディットコア・ハブのアキラです。この記事では、決済不正の発見策を扱います。
小切手・カード・口座のそれぞれで、どんな兆候を見て、その兆候をどう扱えばいいのか。一緒に整理していきましょう。
発見の入口は、決定的な一つの証拠を探すことではなく、資金化を見張る動き、取引の実体の欠如、決済が済む前の持ち出しといった、機能の違う兆候を束ねて見ることです。
この一文が、今回の暗記対象なんです。ひとことで言えば、決定的な一つを探すのではなく、機能の違う兆候を束ねて見る、ということなんですね。
三つの兆候を、日常の言葉に直しておきますね。資金化を見張る動きは、入れた小切手がいつお金になるかを何度も確かめる動きです。
取引の実体の欠如は、支払いの裏付けになる請求書や契約書が無い状態ですね。決済が済む前の持ち出しは、小切手が現金になる前に引き出そうとする動きなんです。
この記事で分かること
- 小切手・カード・口座のそれぞれで、機能の違う兆候をどう束ねて見るのか
- 兆候は調べる理由であって、不正を確定させる証拠ではないという物差し
- この論点で想定される出題型(3型)
決済不正の発見策(CFE-S1-D12-03)
よくある誤解
この記事でも、単独で提示されたら誤りになる記述を先に並べます。
- 頻繁な残高の確認だけ、裏付けの書類がないことだけ、というように兆候を一つに絞れば足りるという整理
- スキミングが起こりやすいのは、店員がカードを奥へ持ち去る場面だけだという説明
- スキミングが起こりやすいのは、無人の端末に不審な装置が付けられる場面だけだという説明
- 店員に対して取引をゆっくり進めてほしいと求める行動も、カードの不正利用の兆候だという扱い
- きりのよい金額や同じ金額の入金が繰り返されても、正常な取引と変わらないので兆候にはならないという見方
- 兆候が一つ見つかった時点で、不正があったと確定してよいという理解
- カード不正、EFT不正、口座乗っ取りは同じものなので、見るべき兆候も同じだという理解
外れ方は項目ごとに違います。一つずつ見ていきましょう。
誤解の一つ目(兆候を一つに絞る)は、機能の違う兆候を一つで代表させています。
誤解の二つ目と三つ目(持ち去る場面だけ/装置の場面だけ)は、スキミングの二系統のうち片方だけを典型にしました。
誤解の四つ目(ゆっくり進めてほしいと頼む)が数えているのは、急いで済ませたい目的と逆を向く行動なんです。
誤解の五つ目(きりのよい金額の繰り返し)は、正当な説明が付く余地を、兆候でない理由にしています。
誤解の六つ目(一つ見つかれば確定)は、兆候を証拠と同じに扱いました。そして誤解の七つ目(三つは同じもの)は、見る場所の違いを見落としています。
悪用されたものが違えば、見る場所も違うんですね。
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