決済不正の手口類型
手口は「何が悪用されたか」で分かれます
オーディットコア・ハブのアキラです。この記事では、決済不正の手口類型を扱います。
支払いという毎日の当たり前の場面に紛れ込む不正ですが、手口の名前が多くて圧倒されてしまいますよね。
整理の軸を先に一つ持つところから、一緒に見ていきましょう。
決済不正の類型を分けるのは、行為者が内部の人か外部の人かではなく、悪用されたのが紙の小切手か、カードの券面と磁気情報か、口座情報そのものか、という点です。
この一文が、今回の暗記対象なんです。ひとことで言えば、誰がやったかではなく、悪用されたのは何かという軸で分かれる、ということなんですね。
この記事で分かること
- 小切手不正・カード不正(口座乗っ取りを含む)・不正な電子資金移動(EFT)の切り分け方
- 実行の主体がどう組織化され、役割がどう分かれるのか
- この論点で想定される出題型(3型)
決済不正の手口類型(CFE-S1-D12-01)
よくある誤解
先に、単独で提示されたら誤りになる記述を並べておきます。つまり、その言い方だけを見せられたら誤りだと判断すべきもの、ということなんです。
- 小切手詐欺は書面の痕跡が残るので摘発しやすく、実行した者の大部分は最終的に訴追されるという見方
- 小切手の偽造には値の張る専門の印刷機材がどうしても要るので、実行できる人はごく一部に限られるという説明
- 小切手詐欺の半数を超える部分を担っているのは、生活費に困った単独の個人犯だという理解
- 顧客の行動や属性を分析して傾向をつかむプロファイリングも、カード詐欺の手口の一つだという扱い
- オンラインの買い物でクレジットカードを使うことも、電子資金移動(EFT)に当たるという理解
どれも、言われてみればもっともらしく見えますよね。ですが、外れ方はそれぞれ違うんです。
誤解の一つ目は、痕跡が残ることを摘発のしやすさに読み替えています。誤解の二つ目も読み替えで、道具の入手しにくさを実行の難しさにすり替えているんですね。
誤解の三つ目は、半数を超えるという数字が何を指すかを取り違えています。数字が指しているのは、実行する主体の性質のほうなんです。
誤解の四つ目は、分析の道具を手口の一つに数えてしまいました。誤解の五つ目は、与信を挟む支払いを資金の移動と同じに扱っています。
与信とは、代金を後から支払ってよいと認めることですね。
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