金融機関不正の発見策
金額の大きさで見る場所が変わる
オーディットコア・ハブのアキラです。この記事では、金融機関で起きた不正を、動いてしまった資金の痕跡からどう拾うか、つまり発見策の側を扱います。
探す相手の大きさで道具が変わるところが、ここの分かれ目なんですよ。
見る場所は金額の大きさで決まり、書類の欠落を兆候とみるかどうかは本来そこにあるべき書類かどうかで決まります。
この一文が、今回の暗記対象なんです。
ひとことで言えば、金額の大きさで降りる先を決めて、書類が無いことを兆候に数えるかどうかは正規の添付書類かどうかで仕分ける、ということなんですね。
この記事で分かること
- 少額の横領は原始の書類へ降り、多額の横領は財務諸表の分析が効くという、金額による使い分け
- 兆候を数える前に、本来そこに添付されるはずの書類かどうかを仕分ける工程が挟まること
- 出題の型として、兆候の識別型、否定形の問い方、予防と発見の入れ替え型の3つがあること
金融機関不正の発見策(CFE-S1-D09-03)
よくある誤解
ここでは、発見の側で、単独で提示されたら誤りになる記述を並べておきます。
- 金額の大小にかかわらず、財務諸表を分析すれば横領は見つけられる、という思い込み
- 原始文書に現れる異常のうち、兆候として認められるのはいつも1つだけ、という決めつけ
- そもそも添付が求められない書類が無い状態も、書類の欠落だから兆候になる、という当てはめ
- 不正防止の研修を厚くすれば、すでに起きている横領も見つけられる、という混同
- 承認限度額の中の支払をすべて照合すれば、少額の抜き取りも効率よく拾える、という発想
- 書類の不備や従業員の離職率の高さがあれば、当初の計画が無理だったことまで裏づけられる、という飛躍
つまずいている場所は、1つずつ違います。研修を厚くすれば横領まで見つかる、という混同を見てください。
予防の打ち手を、発見の側に持ち込んだところでつまずいています。書類の不備や離職率で、当初の計画の無理まで裏づけるという飛躍はどうでしょう。
周辺の情報を、強い証拠と取り違えたところでつまずいています。残りの誤解が外している点も挙げておきますね。
見る道具を、金額の大きさで使い分けること。兆候は1つに限られず、並んで生じ得ること。
そもそも正規の添付書類かどうかを、先に仕分けること。全件照合は労力に見合わないこと。
この4点を外しているので、単独の記述として置かれたら誤りになります。押さえておきましょう。
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