金融機関不正の手口類型
資金の通り道で名前が決まる
オーディットコア・ハブのアキラです。この記事では、銀行をはじめとする金融機関で起きる不正の、手口の類型を整理していきます。
似た名前が並ぶので苦手にされやすい領域ですよね。ところが、資金がどこを通ったのかで並べ直すと、驚くほど見通しがよくなるんです。
横領と融資に絡む手口の名前は、資金が行内で動いたのか、貸出取引を通ったのか、行外へ出たのかを決めてから当てはめます。
この一文が、今回の暗記対象なんです。ひとことで言えば、資金の通り道を先に決めてから、名前を後から当てるということなんですね。
この記事で分かること
- 手口の類型が、横領・融資関連・不動産関連・新規口座・その他という区切りで整理されること
- 行内の資金が消える手口が、記録を書かない型、記録を書き換える型、資金が行外へ出る型、物そのものが動く型の4つに割れること
- 出題の型として、事例分類型、定義型、段階のすり替え型の3つがあること
金融機関不正の手口類型(CFE-S1-D09-01)
よくある誤解
はじめに、単独で提示されたら誤りになる記述を並べておきます。
- 金融機関で起きた不正なら、小切手やカードの決済にまつわる不正まで同じひとまとまりで整理できる、という理解
- 行内の資金が減ってさえいれば、記帳の欠落も記録の書き換えも同じ横領として扱える、という整理
- 劣化した債権が絡んでいれば、他の金融機関とのやり取りが無くてもデイジーチェーンと呼べる、という当てはめ
- 資金を抜く狙いがあれば、担保の悪用であっても偽装融資と呼んでよい、という言い換え
- ローン不正と顧客口座の窃盗は、同じ兆候で見分けられる、という前提
どれも一部を切り取れば本当らしく見えますよね。ところが、単独の記述として置かれた瞬間に誤りへ変わります。
しかも、誤りになる理由は1つずつ違うんです。まず、記帳の欠落と記録の書き換えを見てください。
記帳の欠落とは、帳簿に書かないことです。この2つを同じ横領にまとめる整理は、どこでつまずいているのでしょうか。
横領とは、ひとことで言えば、預かったお金を自分のものにしてしまうことですね。資金が減ったという結果は、たしかにどちらも同じです。
けれども、記録の扱いが違うところでつまずいています。残りの誤解は、資金が動いた場所を確かめないまま名前を当てているんです。
決済の場面なのか、行内なのか。機関の間を債権、つまり返してもらう権利が回ったのか。
貸出取引を通ったのか。口座なのか、融資なのか。
こうした資金の通り道の分かれ目を、素通りしているということなんです。
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