従業員権利侵害の類型
行為の向きで、系統が先に決まります
オーディットコア・ハブのアキラです。
この記事では、調べ方しだいで成り立ってしまう従業員の権利侵害について、どんな類型があり、どう見分けるのかを扱います。
同じ「やり過ぎ」に見えても、当てはまる要件はまったく別なんですね。
ここで扱った類型の見分けは、私的な領域へ入ったのか、言葉を外へ出したのか、その場に止め置いたのかという行為の向きで先に決まり、外へ出す型はさらに、偽りであることを要件にするかどうかで割れるんです。
この一文が、今回の暗記対象なんです。
ひとことで言えば、まず行為の向きで系統を決めて、そのうえで外へ出す型だけを偽りが要るかどうかで割っていく、という二段構えですね。
この記事で分かること
- 名誉毀損、プライバシーの侵害、不法監禁が、それぞれどんな要件で成り立つのか
- 行為の向きで類型を振り分けるとき、何が要件で何が飾りなのか
- この論点で想定される3つの出題型と、事例の絞り込み手順
従業員権利侵害の類型(CFE-S2-D02-02)
よくある誤解
まず、単独で示されたら誤りになる記述を並べておきます。その一文だけを読むと間違いになる説明、ということですね。
- 名誉毀損は、その言葉が印刷物として活字になり、配られて初めて成立する
- 誰も同席しない部屋で本人にだけ虚偽の非難を告げた場合でも、名誉毀損として損害の回復を求められる
- 内容が本当のことであっても、第三者に伝われば名誉毀損になる
- 私的な領域への立ち入りは、そこで得た内容を外へ知らせた時点で初めて問題になる
- 身体の自由を止めた側が違法だと分かっていたことを、止められた側が示さなければならない
外している場所は、一つずつ違うんですね。一つ目の記述は、媒体の違い、つまり印刷物か口頭かの違いを、共通の要件の中へ入れてしまいました。
二つ目の記述は、伝達という要件を落としています。伝達とは、その言葉が本人ではない誰かへ届くことです。
三つ目の記述は逆に、偽りであることという要件を落としました。四つ目の記述は、行為の局面を取り違えています。
立ち入りそのものが問題になる類型と、外へ出すことが問題になる類型が、入れ替わっているんですね。
五つ目の記述は、要件ではない相手の内心、つまり相手が何を分かっていたかを足してしまいました。
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