調査中の従業員の権利と義務
民間の職場でも権利は働いています
オーディットコア・ハブのアキラです。この記事では、社内の不正調査で調べる側が従業員にどこまで求めてよいのか、という線引きを扱います。
手口を見抜く力とは別に、調べ方そのものが正しいかどうかも問われる領域なんですね。
この論点で先に確かめるのは、求めている内容がその人の職務と事案に照らして合理的か、そして踏み込もうとしている場所に本人の合理的なプライバシーの期待が残っていないか、という点なんです。
この一文が、今回の暗記対象なんです。
ひとことで言えば、通してよい求めかどうかは、その人の職務の範囲と事案の中身で決まり、踏み込む場所については、本人が「他人に見られない」と思って当然かどうかで決まる、ということですね。
この記事で分かること
- 従業員の協力義務と権利が、どこから生まれ、誰に及ぶのか
- 職場の捜索や面談で、どこまで踏み込んでよいのかの分かれ目
- この論点で想定される3つの出題型と、記述の絞り込み手順
調査中の従業員の権利と義務(CFE-S2-D02-01)
よくある誤解
まず、単独で示されたら誤りになる記述を並べておきます。その一文だけを読むと間違いになる説明、ということですね。
- 従業員の協力義務とそれに伴う権利は、ある国際的な取り決めによって初めて根拠づけられる
- これらの権利は公的機関に雇われた人にだけ及び、民間企業に雇われた人には及ばない
- 民間企業の雇用主が、従業員の権利を侵害したとして責任を問われることは一切ない
- 調査に制約を課す契約上の定めは、個別の雇用契約という一種類の文書からしか生じない
- 民間企業の担当者が行う社内面談でも、黙秘の権利の告知と弁護人の同席が保障される
つまずいている場所は、五つとも違うんですね。一つ目の記述は、権利のよりどころを一つの取り決めだけに絞りました。
二つ目の記述は、雇い主が公的機関か民間企業かという身分で、適用の範囲を切っています。三つ目の記述は、民間なら責めを負わないと決めつけました。
四つ目の記述は、調査を縛る契約の種類を一つに狭めています。五つ目の記述は、公権力の捜査だけにある制度を、民間の調査へそのまま持ち込んでいるんです。
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