人が抜けると決まった後の初動
在籍中に、受け手を決めて知識を移す
オーディットコア・ハブのアキラです。この記事では、部門で唯一の専門家が辞めると分かった場面で、内部監査部門長が直ちに始めることを見ていきます。
ここで困っているのは、人が辞めること自体ではないんですね。内部監査部門長というのは、つまり、内部監査の部門を率いる責任者のことですよ。
人が抜けると分かったときの初動は、処遇の交渉でも書き物でもなく、受け取る人を決めて、在籍しているうちに知識を移すことです。
この一文が、今回の暗記対象なんです。ひとことで言えば、在籍期間という期限つきの資源を、受け手を決めて使う、ということですよ。
この記事で分かること
- 給与の引き上げによる引き留めや、マニュアルの全面改訂が、初動として外れるのはなぜか
- 知識を部門に残す鍵の三つ(在籍中に始める・受け取る後任候補を決める・書けない知恵まで渡す)
- この論点の出題型3つ(事例適用・最善解型/半分正しい複合記述型/条件のすり替え型)と、その切り方
人が抜けると決まった後の初動(P3-A-04-d)
よくある誤解
部門で唯一の専門家が辞めると分かった場面で、初動として単独で提示されたら誤りになる記述を並べておきます。
- 退職までの間に、本人へIT監査マニュアルを全面改訂させるという対応
- 専門家がいなくなるのだから、次年度のIT監査の計画を縮小すると取締役会に提案するという対応
- 給与を大幅に引き上げて、退職を思いとどまらせる交渉に入るという対応
三つとも、動機はよく分かるものですよね。形に残るものを作らせたい、無理はしたくない、そもそも辞めないでほしい。
それでも、マニュアルの全面改訂で残るのは、手順書に書き切れる部分だけです。その専門家が何を見て何を疑うかという判断のしかたは、紙に移りません。
給与の引き上げでは、部門としての知識の保有量が1ミリも増えません。共通しているのは、在籍している1年という期限つきの資源の使い方です。
受け取る人を決めないまま、使い切ってしまうんですね。
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