財務的資源の見積り
決め手は金額ではなく、監査目標に届く手段
オーディットコア・ハブのアキラです。この記事では、ひとつの監査業務に使えるお金、つまり財務的資源をどう見積もるのかを扱います。
予算の話に見えますよね。ところが中身は、同じ検証目的を果たす手段を並べて、監査目標に届くほうを選ぶ作業なんです。
財務的資源は、削る金額という一次元では決まりません。同じ検証目的を果たす複数の手段を、費用と得られる証拠の程度という二つの欄で並べて比べ、監査目標に届く手段を選んだうえで、残った不足だけを内部監査部門長と協議します。
この一文が、今回の暗記対象なんです。ひとことで言えば、財務的資源を決めるというのは金額を決めることではなく、監査目標に届く手段を選ぶことなんですね。
比べてもなお埋まらない差だけを、内部監査部門長のところへ持っていくと覚えておいてください。
この記事で分かること
- 財務的資源を、何を物差しにして決めるのか(費用と、得られる証拠の程度という二つの欄)
- 手段を比べた後に、内部監査部門長との協議がどこへ置かれるのか
- この論点と相性のよい出題型三つと、その切り分け方
財務的資源をどう見積もるか(P2-A-07-a)
よくある誤解
まず、その業務の財務的資源を決める場面から見ていきます。財務的資源とは、つまり、その業務に使えるお金のことですね。
ここでは、単独で提示されたら誤りになる記述を先に並べておきますね。「単独で提示されたら誤り」とは、こういう意味です。
これから挙げる対応そのものは、実務では起こり得ます。ところが、それだけを答えとして置くと外れてしまうんです。
- 出張費の上限を先に決めて、行かない拠点は経営管理者の説明で代えるという対応
- 期間の短い業務だからと、主要な拠点の検証を次年度の計画へ回すという判断
- 緊急性が高いからと、費用と効果を比べないまま全拠点へ出張を広げるという判断
- 予算が窮屈だと分かった時点で、比較を挟まずに内部監査部門長へ相談だけするという動き
なお、経営管理者というのは、その部署を任されている管理職のことですね。はじめの三つは、費用という一本の物差しだけで決めています。
この点が共通していますよね。要するに、お金の多い少ないだけで判断しているんです。
削る向きでも、増やす向きでも同じです。「その使い方で監査目標に届くのか」という肝心の問いを、一度も通していません。
四つめだけは、少し違います。物差しの本数の話ではないんですね。
同じ目的を果たす手段を並べて比べる、という段取りそのものを飛ばしています。そこが誤りなんです。
比較を挟まないまま、相談へ進んでしまっているわけですね。試験の場面では、この四つのどれもが、いかにも現実的な対応に見える形で並びます。
現実的だからこそ、費用だけを見ていることに気づきにくいんです。比較を飛ばしていることも、同じように見えにくくなります。
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