テスト手法の識別
向きが変われば確かめられる目的も変わる
オーディットコア・ハブのアキラです。この記事では、個々の内部監査業務で使うテスト手法、なかでも突合と追跡の見分けを扱いますね。
同じ二つの資料のあいだを行き来しているのに、辿る向きが変わると、確かめられる目的まで入れ替わってしまうんです。
どちらを起点にして、どちらへ辿るか。確かめられる目的は、この向きで決まるんです。
この一文が、今回の暗記対象なんです。
ひとことで言えば、記録から証憑へ遡れば実在性、証憑から記録へ追えば網羅性というふうに、起点と向きが、そのまま確かめられる目的と結び付いているということなんですね。
この記事で分かること
- 突合と追跡を、起点・向き・確かめられること・見つかる誤りという四つの軸で並べるとどう分かれるか
- 向きと目的が組み替えられた記述を、どこで誤りだと言い切れるのか
- この論点で想定される三つの出題型と、その切り方
会計、財務、ITシステム、ビジネスオペレーション又はサイバーセキュリティを含む、個々の内部監査業務におけるテスト手法を識別する(P2-A-06-e)
よくある誤解
テスト手法の見分けでは、ひとつの取り違えから、間違いが連鎖して広がります。
ここから何度も出てくる証憑というのは、請求書や注文書のように、取引の裏づけになる大もとの書類のことです。
単独で提示されたら誤りになる記述を、先に並べておきますね。
- 「突合とは、要するに証拠を集めるための手続だ」という大づかみな理解
- 「証憑の束から会計記録へ一枚ずつ追っていくのも突合だ」という向きの取り違え
- 「会計記録どうしの計算が合っているかの検証も、突合の目的に含まれる」という上乗せ
- 「将来の取引を予測するためのデータ収集にも突合を使える」という拡張
一つめは、説明が大づかみすぎて、向きが消えています。二つめは、向きがそのまま逆になっています。
三つめは、別の手続が担っている目的を持ち込んでいます。四つめにいたっては、監査手続の目的ですらありません。
四つとも、共通しているのは同じ点なんですね。突合という手続の特徴を「どこから、どこへ」で捉えていない、という点です。
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