法令・規制上の義務の識別の起点
事業・業界・地域で作る包括的な一覧が先
オーディットコア・ハブのアキラです。この記事では、適用される法令や規制上の義務を識別するとき、どこから手を付けるのかを整理していきます。
法律の専門家に聞くところから始めれば安心、という気がしませんか。ところが起点はそこではないんです。
順番の話として、ゆっくり見ていきましょうね。
適用される法令・規制上の義務の識別は、事業・業界・事業展開地域という三つの切り口で、包括的な一覧を作るところから始めます。個別の照会も、過去の確認も、影響の評価も、この一覧ができた後の話です。
この一文が、今回の暗記対象なんです。ひとことで言えば、全体像を先に作る、ということなんですね。
部分から入ると、思いつかなかった範囲が空白のまま残ります。しかも、その空白があること自体に気づけません。
だから起点は一覧なんだ、と押さえておきましょう。
この記事で分かること
- 適用される法令・規制上の義務を識別するとき、最初に作るものと、その範囲の取り方
- 一覧を作ったあとに続く工程の並びと、見直しが監査計画の更新の情報源になる理由
- この論点の出題型は三つ。最初の一手を問う手続・順序型・専門家依存のすり替え型・影響度から入らせる型と、その切り方
適用される法令・規制上の義務を、どこから識別し始めるか(P3-B-03-c)
よくある誤解
義務を識別するプロセス、つまり手順の流れの「最初にすること」として単独で提示されたら、誤りになる記述を並べておきますね。
- 関係がありそうな個別の法令を、その都度、法務部門に問い合わせること
- 以前の監査で見つかったコンプライアンス上の問題を洗い直すこと
- 規制に違反したときに科されうる罰金額を見積もること
三つとも、識別の作業のどこかでは実際に行いますし、それぞれもっともらしい理屈がついています。
「法律の専門家に聞くのがいちばん確実だ」「過去に問題が起きた領域こそ真っ先に押さえるべきだ」「影響の大きいものから手を付けるのが合理的だ」。
どれも、読んでいて反論しにくい言い分ですよね。ところが共通しているのは、識別すべき義務の全体像がまだ無いうちに、一部分から入っている点なんです。
個別の照会、つまり問い合わせは思いついた法令から。過去の確認は既に知っている領域から。
罰金額の見積もりは影響の大きさから。入口が違うだけで、どれも部分から始めています。
単独で提示されたときの見方は、こうです。その活動が識別のプロセスに含まれるかどうかではなく、最初に置けるかどうかで判定してください。
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