フレームワークを使う目的と便益
リスクの枠組みは、何のために使うのか
オーディットコア・ハブのアキラです。この記事では、CIA試験の学習目標をひとつ、読み物として整理していきます。
今回のテーマは、リスクの枠組みは、何のために使うのか。ここで見ていくのはCOSO-ERM 2017、つまり全社的リスク・マネジメントの枠組みなんです。
私と一緒に、その目的がどこにあるのかから確かめていきましょう。
ERMの目的はリスクを消すことではなく、取るリスクと得られる価値を釣り合わせて、価値を創造し、維持し、実現する過程を支えることである。
この一文が、今回の暗記対象なんです。扱う学習目標は「組織体のプロセスや部門におけるリスク・マネジメントについて説明する」です。
この記事は、その中の細目を見ていきますね(学習目標P1-C-06-b)。ひとことで言えば、ERMはリスクを消す道具ではありません。
リスクを取りながら価値を生むための枠組みだ、ということなんですよ。
この記事で分かること
- COSO-ERM 2017を使う主たる目的と便益、そしてCOSO内部統制フレームワークとの守備範囲の違い
- 5つの構成要素のうち、どれが基礎で、どれが共通のプロセスなのか
- 出題型は3つ。切り方は「目的の広さ」
リスクの枠組みは、何のために使うのか(P1-C-06-b)
よくある誤解
次に挙げるのは、COSO-ERMを使う目的を説明する場面での記述です。どれも、単独の記述として示されたら誤りになります。
- COSO-ERMの目的は、すべての事業活動からリスクを完全に取り除くことである
- COSO-ERMの目的は、財務報告の信頼性を確保するための内部統制を確立することである
- COSO-ERMの目的は、法令違反による罰則を避けるための遵守体制を築くことである
- 全社的リスク・マネジメントは守りの統制であり、戦略とは切り離して運用する
1つ目は、リスクをゼロにできるという前提そのものが誤りです。2つ目は、別のフレームワークの目的との取り違えですね。
3つ目は、一つの側面を全体にまで広げてしまった誤りになります。そして4つ目は、2017年改訂版の名称と定義が示す「戦略及びパフォーマンスとの統合」。
この統合の、ちょうど逆を言っているんです。
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